ポジショニングステートメント 例:6つの実例とテンプレート
要約
良いポジショニングステートメントは、ターゲット顧客、今使われている代替手段、カテゴリ、その比較で勝つ差別化要素を名指しします。この記事では、B2B SaaSの実例6つ、穴埋め式テンプレート、失注案件に照らして検証する3ステップを紹介します。
ポジショニングステートメント 例を探しているなら、まず構造を押さえるのが近道です。ポジショニングステートメントとは、1〜3文で「誰に向けた製品か」「その人たちが今あなたの代わりに使っているもの」「なぜあなたがその比較で勝つのか」を示す文章です。このページでは、穴埋め式テンプレート、B2B SaaSの架空の実例6つ、そしてそれぞれが避けている失敗を紹介します。構造はそのままコピーして、名詞をすべて自社のものに置き換えてください。
ポジショニングステートメントには何を入れるべきか
要素は5つです。どれか1つでも抜けると、ステートメントはただのスローガンになります。
ターゲット(誰が毎週この痛みを感じているか)。弱い例: 「ビジネスチーム」。強い例: 「従業員50〜200名のSaaS企業で働くRevOpsリーダー」
代替手段(相手は、あなたがいなければ今何をしているか)。弱い例: 何もない。強い例: 「毎週金曜にスプレッドシートへ書き出している」
カテゴリ(あなたはどの棚に置かれるか)。弱い例: 「モダンなプラットフォーム」。強い例: 「パイプライン報告ツール」
差別化要素(代替手段にできないことは何か)。弱い例: 「使いやすい」。強い例: 「データチーム不要で、初日からダッシュボードが見られる」
証拠(なぜ信じてもらえるのか)。弱い例: 「多くの企業に信頼されている」。強い例: 「デモで見せる通り、CRMへの接続は10分で終わる」
順番が重要です。Appcuesのポジショニングステートメント解説記事も、逆側から同じことを指摘しています。ステートメントには競合分析が裏付けとして必要で、すべての主張は裏付けられるものでなければなりません。多くの創業者は、楽しい部分である差別化要素から書き始めてしまいます。代替手段から書いてください。残りの文は、そこで決まります。

どのテンプレートから始めればよいか
用途に合わせて使う形式は、ほぼ2種類で足ります。
形式1: 基本の穴埋め
[ターゲット顧客]のうち[ニーズや悩み]を抱える人に対して、[製品]は[カテゴリ]であり、[主なベネフィット]を実現します。[代替手段]と違い、私たちは[差別化要素]です。
形式2: 一息で言える版(ホームページやコールドメール向け)
[製品]は、[具体的な役割]の人が[具体的な仕事]を、[代替手段で嫌われている点]なしで実現する手助けをします。
社内では形式1を使ってください。意思決定全体を1行にまとめるので、チームは括弧ごとに議論できます。社外では形式2を使います。社外の人は、ヒーローセクションで「従来ツールと違い」という比較文を読みたいとは思わないからです。
よくある間違いは、ステートメントをコピーとして扱うことです。これは社内向けの意思決定文書です。ホームページの見出しは、そこから導き出されるいくつかのものの1つにすぎません。多くの創業者がステートメントをそのまま見出しに載せ、なぜ法律文のように読めるのか不思議に思っています。
B2B SaaSの良いポジショニングステートメント例は?
以下の6つのステートメントは例示用です。企業は架空のものなので、主張を検証する必要なく、形だけを参考にできます。それぞれに、なぜうまく機能するかの理由を添えています。
例1: 1人RevOpsチームのためのパイプライン報告
従業員50〜200名のSaaS企業で、毎月の取締役会向けパイプラインレポートをスプレッドシートで作り直しているRevOpsリーダーに向けて、Ledgerlineは取締役会が実際に求める12のダッシュボードを最初から備えたパイプライン報告ツールです。データチームも、モデリングのプロジェクトも不要な点が、汎用BIツールとの違いです。
理由: 代替手段(毎月のスプレッドシート)が明示されており、差別化要素は形容詞ではなく数字です。「12のダッシュボード」は、デモで2分あれば確認できます。
例2: サービス業のための契約自動化
修正を重ねたWord文書で契約書を送っている、従業員5〜30名のエージェンシーの創業者に向けて、Signpostは署名済みの提案書を請求書とキックオフ用チェックリストに変えるコントラクトツールです。電子署名アプリと違い、署名が終わったところから始まります。
理由: 隣接カテゴリ(電子署名)を基準にして、その隣の空白を主張しています。既存の強いプレイヤーと機能で戦う必要がないので、小規模企業にとって最も安全な動き方です。
例3: 制約で位置づける開発者ツール
サーバーレスの障害を生のログからデバッグしているバックエンドエンジニアに向けて、Tracewellは失敗した呼び出し1回ごとに課金されるエラートラッカーです。エージェント型APMと違い、インストールは不要で、障害の少ない月はほとんど費用がかかりません。
理由: 価格モデルそのものが差別化要素になっています。機能が他社と似て見えるときは、顧客が支払う対象を変えて、それをステートメントに書いてください。
例4: 「何もしない」という代替手段
営業担当が20名未満の営業マネージャーに向けて。商談がすでに失注してから初めて通話を確認している人のための、Callnoteは毎週聴くべき3件の通話を教えるコール振り返りツールです。誰も開かない通話ライブラリと違い、ダッシュボードではなく短いリストで終わります。
理由: 本当の代替手段は競合ではありません。通話を振り返らないことです。主な競合が「何もしないこと」なら、それをステートメントに書きましょう。そうすれば、緊急性の問題をページ上で扱えるようになります。
例5: 既存製品の再ポジショニング
9日で月次決算を終える、Series A企業の財務責任者に向けて。Ledgerlineは、照合作業を午後の作業時間にまで短縮する月次決算ソフトです。ERPのアドオンと違い、今使っている会計ツールの上でそのまま動きます。
理由: 例1と同じ製品を、別の買い手と別の代替手段に向けています。ポジショニングは相対的なものです。製品が伸び悩んだら、製品を変える前にターゲットを変えてみてください。April Dunfordの手法では、競合する代替手段が最初に来て、他の要素はそこから決まるとされています。
例6: 創業者主導で、あえて狭く
マーケティング担当を採用していない、開発者に売る一人の創業者に向けて。Beaconは、30日間のアウトリーチ、コミュニティ投稿、Product Hunt当日の進行を順番に並べるローンチチェックリストです。コンテンツカレンダーと違い、何を省くべきかを教えてくれます。
理由: 「何を省くか」は意見です。意見のあるステートメントは覚えやすく、反論しやすく、営業の電話で繰り返しやすくなります。

顧客がまだいないとき、代替手段はどう選ぶか
プレseedの段階で、ここでつまずく人が多いです。顧客がいないと、創業者は資金調達した競合のうち尊敬している企業を並べてしまいます。しかしそれは代替手段ではありません。代替手段とは、あなたが存在しないために、買い手が火曜日にやっていることです。
20分で次の手順を実行してください。
仕事を1文で書き出す(例:「取締役会が信頼できる売上パイプラインの数字を出す」)。
買い手が今その仕事をする方法をすべて挙げる。スプレッドシート、インターン、コンサルタント、すでに払っているツール、何もしないこと。
ターゲットの買い手がそれぞれを選ぶ頻度で順位をつける。推測ではなく、通話で確認してください。5件の会話でパターンは見えます。
上位2つを残す。それ以外はノイズです。
顧客との会話の最初の15分は、10枚のピッチスライドより価値があります。だから、デモをする代わりに、火曜日の業務フローについて質問してください。メモを置く場所は、共有ドキュメントで十分です。
Notionは、プレseed段階でこの種の作業ドキュメントをまとめる定番の場所です。面談ごとに1ページ、どの代替手段が出てきたかを数える一覧を1つ用意してください。15件以上の会話で整理するまでは、それ以上凝ったものは不要です。
悪いステートメントの特徴と直し方
悪いものの大半は、次の3つのパターンに当てはまります。
形容詞の積み重ね: 「現代のチームのための、強力で直感的なオールインワン・プラットフォーム」。直し方: 形容詞それぞれを、数字か名前のついたステップに置き換える。
見えないターゲット: 「成長したいすべての人」。直し方: 役割と会社の規模を指定する。
借り物のカテゴリ: 「営業版のNotion」。直し方: 実際のカテゴリを先に名乗り、比較は2文目に回す。最初の文にしない。
簡単なテストがあります。ステートメントを初対面の人に読んで、あなたの製品の代替手段を1つ挙げてもらってください。挙げられないなら、代替手段が抜けています。あなたが考えたことのないものを挙げられたら、本当の競合を見つけたことになります。

実際の商談でどう検証するか
ステートメントは仮説です。手元にある証拠に、次の順番で当ててください。
まずは失注案件です。 直近の失注または停滞した案件10件のメモを読みます。失注の理由が、ステートメントに書いた代替手段で説明できないなら、ステートメントが間違っています。通話録音ツールは、ここで役に立ちます。買い手が代替手段を自分の言葉で言っているのを聞けるからです。
Gongは、その用途に使える重量級の選択肢で、営業チームを抱える企業向けの価格設定です。一人の創業者は、録音した通話5件とメモのドキュメントだけで、同じシグナルを得られます。営業担当を指導する段階になるまで、プラットフォームは見送ってください。
次は言語です。 買い手が自分の痛みを表す正確な言葉を、ステートメントにそのまま写してください。オーディエンス調査ツールを使えば、買い手がどこにいて何を読んでいるかが分かり、どの言葉を借りるべきかが見えます。
最後はホームページです。 形式2をヒーローに置き、2週間運用して、1つの数字を見てください。デモ依頼のうち、買い手があなたのカテゴリを正しく繰り返した割合です。別のものとして説明されるなら、カテゴリがずれています。それを直さない限り、コピーをどれだけ磨いても効果はありません。
ステートメントができたら、どこで使うか
使い道は4つあります。重要度の高い順に並べると次の通りです。ほとんどのチームは最後の1つしかやっていません。
営業の電話の冒頭。 初回通話の最初の30秒は、形式2を口頭で言うことから始めてください。
アウトバウンドのシーケンス。 メールの1行目はターゲットと悩み、2行目は代替手段です。最初のメールには、それ以外を入れないでください。
オンボーディングの流れ。 製品が「データチーム不要」を約束するなら、最初の画面でデータモデルを求めてはいけません。
ホームページ。 最後に扱います。変更が最も遅く、間違えやすいからです。
ターゲットと代替手段の項目は、CRMに置いてください。そうすれば、すべての案件で買い手がどの代替手段を使っていたかが記録されます。1四半期後には、ステートメントが正しかったかどうかが分かります。
カスタム項目を持つCRMなら、どれでも使えます。HubSpotの無料プランでも十分です。大事なのはツールではなく、その項目です。
ステートメントは見直すべきか、そのままにすべきか
見直しは気分ではなく、予定に沿って行ってください。次の3つのきっかけで見直します。新しいセグメントで案件が成約し始めたとき、失注案件の3分の1以上に新しい代替手段が現れたとき、価格モデルを変えたときです。それ以外の場合は、四半期の間そのままにしておきましょう。案件を失うたびにポジショニングを書き直す創業者は多いですが、そうするとチームは同じ一文を二度言うことができません。
月曜日に実際にやるなら、次のことです。最も合う顧客に向けて形式1を書き、実際の会話5件から代替手段の上位2つを挙げ、結果を社外の人1人に送ってください。その人が自分の言葉で言い直せたら、公開して構いません。言い直せなければ、まず代替手段を、次にターゲットを直してください。このサイトのICPジェネレーターは、ターゲットの部分を埋めるワークシートとして使えます。